国立動物園をつくる会について

趣旨


21世紀になり地球環境は劣化の一途を辿っています。野生動物の宝庫と言われていたアジアやアフリカなどの地域にも開発の手が伸び、その棲みかが失われようとしています。

かつて動物園は、そのような地域に多くの動物たちを求め自国で展示し、国民の娯楽(リクリエーション)に供してきました。その中で多くの知見を蓄積してきたにも関わらず、多数の動物園は海外の生息地との密接な連携はなく、野生動物補給の場として認識をしていました。しかしながら、生息地および動物の個の保全なくして、またそれらの研究なくしては生物の多様性は保持できません。野生動物の生態を調査研究し、域外保全の場としての新しい動物園の姿を希求してやみません。またそこでは、ないがしろにされがちな動物園動物の福祉について真摯な取り組みを行いたいと考えます。

私たち「国立動物園をつくる会」は、旧来の展示主体の動物園から生物多様性を保全し、美しい地球環境を将来にわたって世界に提言できる全く新しい動物園、国立の動物学動物園を志向し活動を行ってきました。また新たに飼育動物を通じて国民に地球環境の保全と生物多様性の保全を訴え、広く自然保護の啓発活動を行い、日本各地の動物園の質的向上、動物園動物の福祉の高い水準での確保を含め、動物の飼育環境のみならず、関係者の労働環境の改善を図るために、動物園法など動物園及び動物に関わる法律の成立をめざしたいと考えています。それらの活動を通じ、広く国民の環境保全への意識を向上させ、地球すべての地域の環境保全に繋がるよう努めていきたいと考えます。

こういった活動を行うに当たっては、さまざまな契約行為が発生するため、法人格の取得が必須となります。しかしながら、私たちの活動は、営利を目的とするものではないため、会社組織は似つかわしくないと考えています。そこで、公益を目的とする特定非営利活動法人を設立し、環境保全の活動を行い、広く国民の保全意識の向上を目指していこうと決意しました。


申請に至るまでの経緯


平成24年9月より任意団体「国立動物園を考える会(国立動物園をつくる会の旧称)」による第1回のシンポジウム開催から平成28年6月まで7回のシンポジウムを開催。

平成28年3月7日14時より発起人会を開催し、設立の趣旨、定款、事業計画及び収支予算、設立当初の役員などの原案について審議。

平成28年6月18日11時より設立準備会を開催。

平成28年11月12日10時より設立総会を開催。発起人会で検討した原案について審議検討し決定した。

平成28年11月20日
特定非営利活動法人 国立動物園をつくる会
設立代表者 住所 北海道旭川市豊岡5条11丁目3番13号
氏名 小菅 正夫